学校でのレッスンのお話をいただく時、「初心者でまだレッスンをしていただく段階までできてないので」という言葉をよく耳にします。

 

僕は逆だと思います。

 

吹奏楽部を例に考えると、中学、高校ともに最大で３年間同じ仲間と活動をしますね。

共に初心者で楽器を始めたとすると、スタートは同じラインですが、コントラバス担当になった子よりも管楽器を吹いている子の方が上達が早いのではないでしょうか？

 

それは決してコントラバスの子が下手なのではないのです。

その理由は　「左手のレッスンが大切な理由」　で書かせていただきました。

 

そして、

弦をしっかりと押さえられるように左手の力がついてからでないと音程チェックをしてはいけません。

 

コントラバスは弦を押さえる力が足りない状態で弾くと、本来しっかりと同じ場所を押さえた時に出てくるピッチよりも低い音が鳴ります。

試しに楽器にチューナーを着けて、どこでも良いので音を押さえて弾いてみてください。

しっかりと押さえた時にはチューナーの音名表示とメーターの針はどうなっていますか？

次に指の場所は変えずに左手の力を緩めて弾いてみてください。チューナーの音名表示とメーターの針はどうなっていますか？

 

基礎レッスンを受けず左手がきちんと押さえられない段階で「高い、低い」の音程チェックばかりしてしまうと、左手の位置取りがぐちゃぐちゃになってしまい、後々しっかりと弦を押さえられるようになった時にまた最初からやり直しになってしまいます。

 

ですから、むしろ初心者のうちにしっかりとしたアドバイスをしてもらう(してあげる)事が大事なのです。

 

 

 

次に多いのが「コンクール本番が近いので、基礎も見ながら本番の曲を弾ける様に」というお願いをされる事。

管楽器の場合はもしかしたら可能かもしれませんが、コントラバスに関して言わせていただけば、それは無理難題です。

 

左手のレッスンが大切な理由　http://cb-tantan.jimdo.com/レッスンについて/左手のレッスンが大切な理由/

右手のレッスンが大切な理由　http://cb-tantan.jimdo.com/基礎レッスンのススメ/右手のレッスンが大切な理由/

 

をお読みいただけば分かっていただけると思いますが、コントラバスはむしろ最初、楽器に初めて触れた時に基礎のレッスンができるか(レッスンを受けられるか)が重要だと思います。

 

もちろん、どの楽器でも基礎はとても大事です。基礎ができてなければ応用はできませんから。勉強と一緒ですよね。

 

そして、基礎と応用の同時進行は生徒のみなさんの負担も大きいです。

ましてや本番直前では・・・頭と体の整理ができないまま本番を迎えてしまうような事にもなりかねないと思います。

 

楽器を家に持ち帰って練習できる楽器ならともかく、運搬が大変で学校にいる間しか練習できない上に、吹奏楽で使われる楽器の中で最も基礎が固まるまでに時間がかかるのが、コントラバスなのです。

 

 

その代わり、しっかりと弾けるコントラバス奏者がいるバンドのサウンドはとても良いものになる！

 

 

それがコントラバスなのです！！

 

 普通にやったら他の楽器の3倍の時間がかかります。

できるだけ早く上達するには、効率的な練習方法と的確なアドバイスが必要なのです。

 

 

 

 

 

 

レッスン代金のシステムに問題がある場合も・・・

 

「レッスンをしてもらいたいけど、お金が無くて・・・」 

というお話もよく聞くのですが、これには大きく分けて２つの傾向がありますね。

 

一つは全部のパートのレッスン代金を部費から出している場合。

これは仕方がないのかなとも思います。本人のやる気が出てきたならば個人的にレッスンに通われる事をお勧めします。

 

 

もう一つが問題なんです。敢えて「問題」と言わせていただきます。

実際にあった話ですが、、、

 

「パートレッスンのレッスン代金は、パートごとに割り勘で出す」というシステムの学校がありました。

例えば学校に伺うパートレッスン代金が10,000円だとします。

 

クラリネットパートは１２人います

トランペットパートは５人います

チューバパートは３人います

打楽器パートは６人います

コントラバスは１人です

 

割り勘ですから、各パートの一人あたりのレッスン代金の負担額はいくらになりますか？

一見パートごとの平等にも見えなくもないかもしれませんが、個人単位で考えたら想像以上に大きな差になりますよね。

中学生や高校生なら尚更金額としては大きいと思います。

 

 

もしこのページをご覧いただいた中に上記のようなシステムでパートレッスンを組まれている方がいらっしゃいましたら、ぜひ全ての生徒さんが平等にレッスンを受けられる環境を作ってあげてください！

 

一番時間がかかる楽器なのに、一番レッスンを受けにくい環境にある・・・

 

そんな状況にはされませんよう、心よりお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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