楽器の状態や扱い方、大丈夫ですか?
楽器や弓が健康な状態でないと良い音楽はできないと思います。
良く見かけるのは、駒がかなり曲がってしまっているとか駒が左右どちらか寄りにずれてしまっているという「駒」の異状をそのままにしていたり、巻線がずれてきている弦を張っているという状態ですね。
駒は弦の振動を楽器のボディに伝える重要な役割を持った部品です。
本来はまっすぐな物なので、曲がってしまうと振動の伝達や弦の張力を支えるバランスが崩れてしまいます。
また、駒が反って(曲がって)来ると、弦高が高くなり、左手の負担が増えてしまいます。
そのまま放っておくと駒が倒れる危険性もあります。
駒の状態は頻繁にチェックしてみてくださいね。
弓に関して良く見かけるのは、張りすぎや毛替えをしていないあたりでしょうか。
意外にやられていないのが、弓の毛替え。
馬毛のキューティクルの「毛羽立ち」に松ヤニの粒子をつけて摩擦力を得て音を出すので、長期間弾いていれば弓の毛のキューティクルは摩耗していきます。
キューティクルが減れば松ヤニの乗りは悪くなるので、楽器を鳴らしにくくなってしまいます。
また、松ヤニを塗りすぎると、弓毛の表面を松ヤニがコーティングしてしまいます。
「粒子をまぶす」のと「コーティングする」のは、全く違う結果になります。
松ヤニを塗りすぎて弓毛が松ヤニコーティングされた状態になると、弓が滑りやすい状態になります。
「松ヤニをたくさん塗っても弓毛が弦に引っかからないなぁ・・・」なんて思って、更に松ヤニをたくさん塗ってしまうなんて事はないですか?
また、弓の毛が極端に減ってしまったままで弾いているのもたまに見かけますが、弓の毛が少ないと摩擦が少ないので本来楽器が持っている鳴りを最大限に発揮する事はできませんね。
可能であれば3ヶ月くらいに一度、それが無理であれば半年目安で一度、最低でも1年に一度は弓の毛替えをすることをお勧めします。
今まで見たことがある やらない方が良いなと思う事例 を挙げておきますので、気にしていただけたら嬉しいです。
<楽器>
低弦側を下にして寝せる
コントラバスの中に立っている「魂柱」は表板と裏板の間に挟んであるだけで、接着はしてありません。
楽器のf字孔から中を覗くと、魂柱は駒の高弦(1番線・G線)側の足の裏付近に立っているのが判ると思います。
低い音の弦(4番線・E線)側を下にして楽器を寝せると万一何かの拍子に衝撃を受けた時、魂柱よりも下の方が幅広いため、魂柱が倒れてしまうリスクが高くなります。
魂柱よりも下の部分が狭くなる高弦(1番線・G線)側を下にして寝せた方が、上記のリスクが低くなります。(ゼロではありませんが)
エンドピンをしまわずに移動
エンドピンを出したまま長い距離移動すると、エンドピンが何かに引っかかってしまう危険性があります。
隣の教室へとか短い距離の移動では大丈夫だと思いますが、、、考えると、コンクールの音出し室→リハーサル室→ステージという動線にも階段などがあるわりには時間が限られているのでどうなんだ?という所まで行ってしまうのですが。。。
少なくとも、日々の練習を終えて帰る前やトラックなどで輸送する時は、面倒くさがらずにエンドピンをしまうようにしましょう。
また、やむを得ずエンドピンを伸ばした状態で移動する際は、足元に気をつけて動きましょう。
直射日光に長時間当てる
直射日光が長時間楽器に当たると、板が割れます。コントラバスのみならず、クラリネットやオーボエ、ファゴットなど、生の木材でできている楽器はみんな直射日光に長時間当ててはいけません。
日中教室などで練習していて直射日光が楽器に当たるような場合は、カーテンを閉めるなどして対策したほうが良いですね。
クラリネットなどはいわゆる「プラ管」を使うという手もありますが、コントラバスはそういう訳にはいきませんよね。
野外演奏などの時には遠慮せずに日陰を作れるもの(テントや傘など)で日陰を作ってもらってください。
楽器が割れた時に誰が責任を持って修理代を出すのでしょうか?
主催者のみなさんや先生方にもぜひご配慮いただきたいところですね。
割れや剥がれを放っておく
生木の楽器で、ニカワを使っているため、割れたり板同士の接着面が剥がれてしまったりすることは仕方ないことです。
が、ここで問題にしたいのはそうなった後の対応です。
なぜか、コントラバスの修理は他の楽器に比べて後回しにされる事が多いのです。
割れや剥がれは放っておくと広がったり、板が曲がってしまって修復が難しい上に修理代金も上がって行く事が多いです。
部費などの予算が無い、、、という話も耳にすることがありますが、でしたら尚更コントラバスを真っ先に直していただいた方が良いかと。。。
<弓>
張りすぎる
弓には適正な張り具合があります。
竿の「反り」が残っているようにして、弓を思い切り弦に押し付けた時に毛と竿が触らなければOKです。
たまに竿が真っ直ぐになるまで弓を張っているのを見ますが、その状態では弓の本来の持ち味が出ないばかりか、竿に逆の負荷がかかり過ぎて、最終的には折れてしまう危険性もあります。
また張り過ぎたまま緩めずに放置しておくと、弓の反りが無くなってしまい、使い物にならなくなってしまいます。
毛に付いた松ヤニを落とすために竿を叩きながら振る
松脂は弾く時の摩擦熱で毛に付いています。ですので塗ってすぐ以外は弓を振ったところで、松ヤニは減りません。
そして、竿を叩く事により竿に物理的衝撃を加える事になり、折ってしまうリスクが高くなります。
松ヤニを付けすぎたと思った時には、楽器を弾きこんで弦に移ってきた松ヤニを拭き取る方が良いでしょう。
弓先を地面につける、トントンする
意外に多いのがこれかもしれません。
弓先についている白い「チップ」はデリケートな「弓の先」を保護するために付いています。
とはいえ、弓先を地面(地面以外でもですが)トントンと当てて衝撃を与えるのは弓のためには絶対良くないです。
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